写真の猫ちゃんは、(推定)16歳です。
高齢ですね。
高齢猫で問題となりがちな、
①慢性腎疾患
②尿管結石
③歯周病
に加えて、体のあちこちの関節に『関節炎』があります。
実は、高齢猫では、関節炎が非常に多いのです。
ある調査によると、『6歳以上では60%』 、『12歳以上では90%』
の猫に、『関節炎』 が存在するという結果でした。
関節炎の症状の多いものとしては、
『ジャンプを失敗するようになった』
『高いところにあがらなくなった』
『階段を昇らなくなった』
などがあります。
他には『爪切りをイヤがるようになった』『手足を触ると怒るようになった』
『抱っこされるのをイヤがるようになった』なども、関節の痛みからくるものかもしれません。
6歳以上で、寝てばかりいるようになった、以前は使っていたキャットタワーに昇らない、などが
あれば、それは関節炎の症状かもしれません。
猫は身体能力が高く、また、身軽であるために、これらの症状が出るときにはかなり進行した関節炎になっていることが考えられます。そのため、日常生活に変化がでてきたら、早めに受診されることをおすすめします。必要に応じて、猫専用の痛み止めや、関節サプリメントを使用します。また、猫ちゃんが許容できるのであればリハビリも検討します。
病院としては、関節炎を抱えている高齢猫ちゃんが多いことをふまえ、検査時の保定(動物を検査のためにおさえること)などを工夫して痛みの少ない診療をしていきたいと思います。
写真の猫ちゃんも、必要に応じて痛み止めを使うことで、ずいぶん活動性がもどりました。
高齢だけに、使える薬の選択肢が少なかったりしますので、その子その子にあわせた方法で、
できるだけ、苦痛を取り除きたいと考えております。