みやま犬猫病院

みやま犬猫病院は、群馬県前橋市にある
犬・猫の全科診療動物病院です。

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みやま犬猫通信

慢性外耳炎に注意!

2021.11.12
気づけば11月も中旬でした。時間が過ぎるのがあっという間です。
世間では新庄新監督が注目されていますね。ファンでもないのに何だかワクワクします。色々な分野で明るい話題がでてきてほしいですね。
さて、今回は耳の話です。ワンちゃん、ネコちゃんの耳、汚れていませんか?または、気にしすぎて耳掃除を過剰にしていませんか?正常な犬猫の耳は、通常掃除しなくても平気です。耳の見えているところの汚れがあれば拭き取るくらいでしょうか。治療が必要かは獣医師に相談してからですが、原因にあった治療をしなければ良くなりません。一言に『外耳炎(がいじえん)』と言っても、アトピー性皮膚炎や食物アレルギーに伴った外耳炎であったり、マラセチアという酵母様真菌が過剰に増殖したものであったり、細菌感染によるものだったり、原因は様々です。犬猫用に作られている外耳炎治療の点耳薬は、抗真菌剤、抗菌薬(ニューキノロン系が多い)、ステロイド剤の複合剤です。個人的には、入っている抗菌薬がなぜニューキノロンなのかといつも考えてしまいます。抗菌薬は何でもいいわけではなくて、第一選択とされるものがありますし、順番や使用方法を間違えると耐性菌(抗菌薬が効かない、効く抗菌薬が少ない)の出現を助長してしまうのです。実は薬剤耐性菌による感染症は、将来癌よりも死亡率が高い病気となることが懸念されています。WHOがその対策を講じたり、日本でも2016年に『薬剤耐性(AMR)対策アクションプラン』が決定されています。抗菌薬を適切に使うことが、獣医師にも求められているのです。そういったこともあり、犬猫用の外耳炎治療の点耳薬を何となく使うことは非常に怖いことです。
今回の患者さんは12歳のトイプードルの男の子です。数年前から『顔まわりが痛いのかキャンと鳴く』ということがあったそうです。当院にいらしてからはそこまで長くないのですが、はじめは歯周病が重度だったので歯周病の治療をしました。随分痛がるのは落ち着いたのですが、外耳炎が続き、最近になってまたキャンと鳴くことがでてきました。慢性外耳炎の状況を把握するためにCT撮影を行いましたところ、上の画像が得られました。
黄色が外耳道、青が鼓膜、赤が罹患側の鼓室です。
鼓室は通常液体や物質がありませんので、CTだと真っ黒に見えますが、左の赤丸の中は白くなっています。右の鼓室はピンクで丸をつけましたが黒いですよね(完全に正常ではありませんが)。
また、怖ろしいことに、鼓室(骨の部屋)の一部は融けていました!
右のピンクの丸のように白い骨が丸く連続しているのが正常ですが、左は赤の矢印で示した赤点の部分の骨がありません。感染で融けてしまったのです。
鼓室胞切開という手術を行い、溜まった膿を掻き出して綺麗に洗浄しました
摘出した膿です。骨はCTのとおりに融けていましたので汚染された骨は除去しました。
術後2週間の抜糸時には、キャンと鳴くことがなくなり元気でした。
外耳炎が適切に治療されないと、今回のように奥へ悪さします。
長く耳の治療をしているけど良くならないときは、一度考え直した方がいいかもしれません。
しっかり診断して適切な治療を心がけています。
元気が一番ですね。

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