感染症の流行により、様々な生活の変化が起きております。
一刻も早い収束を願うとともに、当院でも感染の拡大防止に向けて院内の消毒を強化しております。また、最近では「咳エチケット」として既に有名ですが、咳をされている方はマスクの着用をお願いいたします。あるいは、飼い主様の咳がひどい、体調がすぐれない、などの際には、まずはお電話で動物の病気に関して相談されることをおすすめいたします。来院される方が安心できるための取り組みですので、ご理解のほどよろしくお願いいたします。
さて、今回は1歳のゴールデン・レトリーバーの女の子が受診されました。
遊び道具として与えた鹿の骨を飲みこんでしまい、数時間おきに嘔吐が続いているとのことでした。
レントゲン写真を撮ると、
黄色の丸のところに何かありますね。
飼い主さんがお話しされた鹿の骨の大きさにほぼ一致したものでした。
既に数回嘔吐しているにも関わらず出てこないので、吐かせる処置をしても効果的ではなく、もし胃からは出ても食道を傷つける可能性が考えられたため、開腹手術をしました。
骨ですから、角が鋭利になっています。
危ないですね。
幸い胃を貫通していることも無く、重症化には至りませんでした。
犬が骨をくわえて庭で遊んでいる様子は、なぜか定着していて、違和感を覚える方は少ないかもしれませんが、今回のように誤食してしまったり、骨が硬すぎて歯が割れてしまう事故が多発しています。噛んで遊ばせていれば歯石除去ができる、と思っている方が多いですが、実際はあまり効果的ではありません。歯石除去に関しては、人間と同じように歯磨きが一番です。どうしても歯磨きさせない場合は、その他の方法もありますのでご相談ください。
元気が一番ですね。