写真は椎間板ヘルニアを発症したワンちゃんです。
ヘルニアとは、抵抗の弱い部分や隙間から臓器や組織が飛び出ることを言い、
発生部位によって、会陰ヘルニア、鼠径ヘルニア、椎間板ヘルニアなどがあります。
今回は、後ろ足が立てなくなってしまった、いわゆる胸腰部椎間板ヘルニアです。
椎間板とは、背骨と背骨の間にあるクッションのようなものですが、様々な原因で変性します。その結果、すぐ上にある脊髄を圧迫するようになるのが、椎間板ヘルニアです。
ヘルニアが起きた場所を同定するために、脊髄造影検査を実施しました。
黄色矢印で示した白い濃い線が、赤矢印のところで途切れています。
第11-12胸椎間を圧迫する病変があることがわかりました。
椎間板ヘルニアだとすると、グレード4(重症度。1から5まであり、5が一番悪い。)であり、内科治療よりも外科治療のほうが予後が良いことから、手術をすることとなりました。
術後3日目くらいから自分で立てるようになり、10日目には上の写真のようにスタスタ歩けるようになりました。
当院では、患者さんのグレード(重症度)や飼い主さんの御希望などを総合的に検討して治療をしております。