9歳の猫ちゃんが、歯茎から出血している、とのことで受診されました。
診察室で歯科の器具を用いて探索すると、簡単に出血してしまいました。また、周囲の歯肉が赤く歯周病を併発していたので、麻酔下での歯科処置となりました。
写真は麻酔下でのものですが、異常な歯がわかりますか?
異常なところを拡大すると、
どうですか?
黒く〇で印をつけたところは、歯がなくなっています。右の隣の歯と同じ形状であってほしいのですが、違いますよね。
これは破歯細胞性吸収病巣といって、歯を壊す細胞が活性化して、歯を壊してしまった結果です。歯を残す保存治療が適応になる段階と、抜歯せざるを得ない段階と、無処置でいい段階と、進行の程度によって対処は様々です。
今回は、歯周病を併発していたために抜歯となりました。
また、他の歯のレントゲンを撮ってみると、
これも破歯細胞性吸収病巣の進行した結果です。下顎骨と一体化してしまうと無治療ですが、今回は歯周病を併発していたので抜歯となりました。
また、赤矢印で示したところも黒く抜けて吸収病巣がありました。
なかなか意識して観察しないと見つけにくいものですので、定期的にお口の中も観察しましょうね。