猫ちゃんの皮膚にできた腫瘍です。大きさはわずか6mm。飼い主さん良く気づきました。
皮膚にできた腫瘍であれば多くの場合当院では針生検をします。針生検とは、注射に使う針を腫瘍に刺してどんな細胞で構成されているかを顕微鏡で観察する検査です。腫瘍の特性として細胞がとれてこないこともありますが、その場で診断がつくこともありますし、診断がつかなくても方向性を決めることができるとても有用な検査です。
今回のこの皮膚の腫瘍の針生検をすると、写真のような細胞が観察されました。
肥満細胞腫です。
肥満という言葉がつきますが、太っている子に多いわけではありません。
通常はアレルギーに関与する細胞が腫瘍化したものです。
猫の肥満細胞腫は犬の肥満細胞腫と違い、予後(術後の再発や転移などの状況)が良いとされていますが、まれに全身に転移する子もいますので、その子その子にあった経過観察や治療方針を考える必要があります。